映画

岩名 雅記 のフィルム

うらぎりひめ (2012)

岩名雅記長編劇映画第三作
出演 たうみあきこ、大澤 由理、七感弥広彰

『命あるものは慎ましく、
動けぬものは声を挙げよ』

私達に冒されたことの無い権力は貧しいものを増々貶(おとし)め、人を差別すること吹きこぼれる歓びの如し。敗戦から66年、ひとりの老女の魂の軌跡。俺たちはそれをテロと呼べるだろうか?

映画について

老練舞台女優にして人生論の文筆家でもあるT(86歳)は双光旭日章受賞を機会に自分の特別番組放送の為ある放送局のインタビューを受ける。同時にその中で放送されるT をモデルに製作された中編映画「うらぎりひめ」の監修を依頼される。

自宅に戻ったT は自分の戦中の経験を綴ったエッセーをもとに作られた映画に嫌悪を感じて、預かったDVDを鉄路に投げ捨てる。

2度目のインタビューの帰途、何時ものように自宅近くの公園で憩うT。何故かT は栄誉ある双光旭日章をポイと傍らのゴミ箱へ。

誰かを待ち続けるT。期待通りというべきか『誰か』がやってくる。この人物はこの1年間、日本だけでなく世界を震撼させたあの原発大事故の首謀犯罪者である。T にとってこの半年間充分な準備をしてきたその成果が見事に結実する一瞬が訪れたーー。

映画製作者について

岩名雅記: 1945年東京生まれ。舞踏家として1988年来仏、以降欧州40カ国/100都市で独舞公演を展開している。初監督作品「朱霊たち(2008)」、第二作「夏の家族(2010)」が共にロッテルダム国際映画祭ほかに公式招待される。「朱霊たち」は2009年の英国ポルトベロ国際映画祭で最優秀映画賞受賞。

たむらまさき: 1939年青森県生まれ。岩波映画を経て、小川紳介監督『日本解放戦線・三里塚』(73)でシネマトグラファーとなる。以後、青山真治監督作品をはじめ気鋭の監督たちと日本インディペンデント映画の中心的存在となる。国際的にも名キャメラマンとして注目を集めている。

キャスト

出演 たうみあきこ、大澤 由理、七感弥広彰

監督・脚本 岩名雅記
撮影 たむらまさき(中編部分)

製作 映像・舞踏研究所 白踏館
2012年日本映画・90分・カラー・ヨーロッパビスタ

IMDB: www.imdb.com/name/nm1919553/

著作権 © 2012年日本映画

上映とイベントの詳細 - 更新

大阪上映

2013年10月19日(土)−21日(月)
20日(日)は「朱霊たち」「夏の家族」も一挙上映
特別鑑賞券 1300円
  シアターセブン BOX 1
〒532-0024大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ5階 
淀川文化創造館 Theater Seven
問い合わせ:TEL/FAX 06−4862−7733 (12−18h)
www.theater-seven.com

東京上映

2013年10月26日(土)—11月8日(金)
レイトショー(上映時間91分)
特別鑑賞券 1300円
アップリンク
〒150-0042東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビルtel. 03-6825-5503
www.uplink.co.jp

札幌上映

11/1(金)・2(土)・3(日)・4(祝)
全日「朱霊たち」「夏の家族」も一挙上映
前売券:1000円/当日券:1500円
狸小路2丁目シアター
地下鉄ポールタウン狸小路3丁目出口より徒歩1分
札幌市中央区南3条西2丁目10-1 リバティタワービル4F
電話:080-3237-6419 (クラトミ)
www.facebook.com/uragirihime

岩名雅記長編映画第三作品『うらぎりひめ』

2013年3月1日(金)~9日(土)・各回13時、16時、19時
於:キッド・アイラック・アート・ホール(京王井の頭線 明大前下車徒歩2分)
〒156‐0046 東京都世田谷区松原2‐43‐11
一般・大学生・高校生・シニア:1500 円、特別前売り券:1000 円

上映とイベントの詳細 (98Kb PDF)

映画「うらぎりひめ」の公開について

1)私の映画について

私は履歴40年の舞踏家で2000年代に入ってから60歳で映画を撮り始めました。従って 系統だった映画の勉強はしておりません。強いて言えば少年時代は東映や新東宝の常連で、‘6 0年代初頭に A TG 映画でフランスや北欧の映画に初めて意識的に接し、以降70年代に日本の ヌーベルバーグ 映画やドキュメンタリーを幾つか観ました。昭和の最後の年に渡仏した関係で 平成の日本映画は殆ど知りません。

そんな自分が声高にもの言える立場ではないことは重々承知していますがときおり観る最近の 日本映画は同じ雰囲気/カラーを感じてなりません。一つの理由は現在の日本という国の持っ ている商売偏重主義とそこから来る「あたらず触らず」の気風が映画にも影響しているのでは ないかと推察する次 第です。

「商売にならない映画は映画とはいえない」という主張はもっともですが、私にとってそれは殆ど関心がありません。世界的にみれば商売にならなくとも必要な映画はあるでしょうし、なければなりません。生きていく上での精神のご飯(糧)が必要だということです。かつての日本には大手六社時代でさえもそうした映画があったように思います。

さて今回の私の映画は多少なりとも311以降の日本を描いています。先に「あたらず触らず」と申しましたが私はどちらかというと「あたって砕けろ」型です。映画人として守るものは一つもありませんからそこは自由です。311もしくは福島事故に関して私の映画の主題は「再生や希望や復興」ではなくはっきり申して「憎しみ」です。そしてそこから発する当事者の孤独性、罪の意識—あがないを描きたいと思いました。

こうした「暗い」映画は多くの人が観たがらないことは承知していますが、私は必ずしもたくさんの人に観てもらいたいとは思っていません。むしろ少数でも然るべき人々に観て欲しいと思っています。それだからこそこんな小さな映画でも公開できる場がどうしても必要だったわけです。

このように書いてきましたが今回の映画は決して実験映画やアバンギャルドではありません。むしろ時代遅れで超オーソドックスな映画です。ただし映画の孤独性/独自性、ソロ舞踏家である自分に引きつけて言えば映画の身体性だけは守りたいと常々考えています。もしこのような映画でも興味がございましたら是非ともお出かけ下さい。旧作2本も同時上映します。

2) 会場について

ご承知のように日本での映画の製作—上映・興行が増々困難になりつつあります。加えて私は在仏25年の舞踏家で日本の映画世界や人脈を殆ど知りません。無論インディペンデントの映像作家です。

初作品「朱霊たち」(2007年)は上映館であるポレポレ東中野さんや製作を受けていただいた「グループ現代」さんのおかげでレートショーとしては成功裏に終わりました。にもかかわらず配給側(実質私自身です)はかなりの赤字を抱えました。また2作目「夏の家族」(2010年・渋谷アップリンク)も同様でした。

そこで今回はどうしても赤字を出す事ができずあえて映画館ではなく都内アートホールでの上映を決めたわけです。従いまして配給も広報も自分だけでやります。

思いますに映画館とは先ず映写器材やスクリーン、音響、天井高、快適な椅子、外音の遮断など物理的な条件をクリアできていることだと思います。そのような意味で今回お願いした明大前のキッドアイラックさんは映画館並みの条件を必ずしも有しているとはいえません。更には「映画は然るべき映画館へ観に行く」というお客様の心理条件は満たせません。

が、その一方で映画館にも一般アートホールにも共通したソフト部分の条件:歴史的にも文化的にも一定の観客を持っている事、そのための優秀なスタッフやパブ能力(加えて有利な地理的条件)は物理的条件以上に必須なものであり、今回のキッドさんはそれを充分に持っていると考えます。

そして何といっても若い映画作家や私のようなインディペンデントな映画人にとって大きな魅力は経済条件です。今回キッドさん(収容50名)で9日間、一日3回上映で計25回の上映、2日間計4回の試写、チラシ、ポスターのデザイン/印刷、宣伝、スタッフなど全て含めて極めてリゾナブルなレンタル料を提示してもらいました。細かなことを付け加えれば試写会は通常は招待者のみですが、今回はその気になれば招待者以外の方には有料で観ていただく事もできます。

繰り返しになりますが無論映画興行は映画館でやるに越した事はありません。ただ現在の映画興行の実態は作る側にとっても上映する館の側でもあまりに過酷であり、今回のような一般アートホールでの上映を一つの大きな可能性として皆様映画関係者だけでなく、これから映画を作っていく方々へもお知らせしたいわけです。

最後迄お読み下さいまして誠にありがとうございました。

岩名雅記(監督)

論考

映画「うらぎりひめ」の配給宣伝費をサポートして下さい!

身体の映画作家・岩名雅記監督最新作「うらぎりひめ」の配給宣伝費をサポートして下さい!

独立映画ネットワーク「独立映画鍋」motion-gallery.net/eiganabe

監督の岩名雅記です。来年3月1日から9日間都内アートホールで新作「うらぎりひめ」と旧作2本を同 時公開することを決めました。今回はまさに公開を僕自身で決断したというのが実情です。といいます のも過去2作品の上映ではかなり興行成績をあげても映画館との収益のシェア、パブリシスト(広報宣 伝担当者)への報酬支払いなどで手元に残るお金がないばかりか、赤字を抱え込むことになってしまっ たからです。現在もうこれ以上同じリスクは繰り返せないギリギリのところに立っておりますので、今回 は在外というハンディがありますがパブリシストも自分でやり、映画館ではなくレンタル料の支払いだけ で済む都内一般ホールでの公開に発想を切り替えました。

同時に独立映画ネットワーク「独立映画鍋」のメンバーとなることで広く一般の方々からのご支援を仰ぐ 事になりました。ご支援は1000円から可能です。どうぞ皆様のご理解とご支援でこのプロジェクトを成 功させていただきたく心からお願い申し上げる次第です。

(詳しくは独立映画ネットワーク「独立映画鍋」サイト motion-gallery.net/eiganabe を御覧ください)

上映

日付 時間 説明
24 Sep 2013 21:00 Princess Betrayal was shown at the HUB in Trieste, Italy Email: info@thehubtrieste.com.
21 Sep 2013 19:30 Princess Betrayal was shown at Espace Culturel Bertin Poirée, 8-12 Rue Bertin Poirée 75001 PARIS [CARTE] Tel: +33 1 44 76 06 06 Email: ecbp@tenri-paris.com Web: www.tenri-paris.com. Tarif: €5
08 Apr 2013 16:30 Princess Betrayal was shown at Chiaradanza in Naples, Italy.
2013 Princess Betrayal (La Princesse Trahison/Uragiri Hime) – the third dramatic feature film by Masaki Iwana, featuring Akiko Taumi, Yuri Osawa, and Kosho Nanami.

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